英検2級のリーディングは、本文の単語をすべて知っていないと解けない試験ではありません。一文ずつきれいな日本語に訳す必要もありません。実際に必要なのは、基本的な語彙、文の骨格をつかむ力、話の流れを追う力、そして設問の根拠を本文から探す力です。
この記事では、語彙の覚え方から長文の読み方、2級の内容一致で出題されるEメール問題、内容一致の解き方、時間配分、復習のやり方までを順に説明します。長文が苦手な人が「どこから直せばいいか」を決められる状態を目指します。
英検2級リーディングの構成と時間
まず全体像です。2級の一次試験は、リーディングとライティングを合わせて85分、そのあとリスニングが約25分。リーディングは次の3形式、合計31問です。
- 短文の語句空所補充17問
短文や会話文の空所に、文脈に合う語句を4つの選択肢から選びます。いわゆる語彙問題です。
- 長文の語句空所補充6問
説明文の空所に、文脈に合う語句を補います。前後の文とのつながりを見る問題です。
- 長文の内容一致選択8問
パッセージの内容について答えます。2級ではEメールと説明文の両方が出るのが特徴です。
注目したいのは、内容一致の題材にEメールが含まれることです。説明文とは構成が異なるため、差出人・宛先・件名を先に確認するのがポイントです。読み方は後半で詳しく扱います。
もうひとつ、85分の中にはライティングの2問(英文要約と英作文)も入ります。リーディングを丁寧にやりすぎると、書く時間が残りません。ここは最後まで意識しておいてください。
Note
出題形式・問題数・試験時間は変更される可能性があります。受験前には必ず公益財団法人 日本英語検定協会の公式サイトで最新の情報をご確認ください。
英検2級Readingで必要な5つの力
「英語力が足りない」とまとめてしまうと、次に何をやればいいのか決まりません。2級のリーディングで問われているものを、5つに分けてみます。
① 語彙力
本文だけでなく、設問と選択肢を読むための土台です。31問のうち17問が語彙問題なので、比重も大きくなります。
② 文構造をつかむ力
主語と動詞を見失わない力。「単語は分かるのに読めない」と感じるときは、文構造が原因になっている可能性があります。
③ 段落の要点をつかむ力
一文ずつではなく、その段落が何を言っているかをまとめる力。長文全体を覚えなくて済むようになります。
④ 設問の根拠を探す力
「なんとなくこれっぽい」ではなく、本文のどこに答えがあるかを指す力。内容一致の得点はここで決まります。
⑤ 時間管理
リーディングに時間を使いすぎず、ライティングを残す力。85分をどう配分するかという話です。
まず自分がどれで止まっているかを見極めてください。語彙が原因なのに読み方を変えても、点は動きません。逆も同じです。
まずは語彙の土台を作る
17問という数を見れば、語彙対策が欠かせないのは明らかです。ただ、単語帳を1周した状態と、試験で使える状態は違います。2級の語彙問題は「その語を知っているか」ではなく「その文に合う語を選べるか」を見ているからです。
- 意味を覚える
単語帳などで、つづりと代表的な意味を結びつけます。ここは単純な暗記です。
- 例文で確認する
その語がどんな文で、どんな語と一緒に使われるかを見ます。語彙問題で問われるのはこの段階です。
- 長文の中で出会う
実際の文章で使われているのを見ると、意味が自然に出てくるようになります。
- 忘れていたら確認し直す
一度で覚えられなくて当然です。長文で出会って「なんだっけ」と思った語こそ、覚え直す価値があります。
おすすめは、長文演習で出会った知らない語を、その一文ごとノートに残すことです。意味だけを書き写すより、文脈が残っているぶん思い出しやすくなります。
単語は分かるのに長文が読めない理由
2級学習者によくある悩みです。語彙だけでなく、次のような読み方や文構造の捉え方が原因になっている可能性もあります。
- 単語を一語ずつ日本語に置き換えていて、文としての意味を作れていない
- 主語と動詞を見失っている(修飾が長いと、どれが述語か分からなくなる)
- 修飾語を文の中心だと勘違いしている
- but や however などの接続詞を意識せずに読み流している
- 一文は分かったが、その文が前後とどうつながるかを考えていない
- 最初から最後まで、同じ重さで読んでいる
原因を探るには、読めなかった箇所を辞書を使わずにゆっくり読み直してみてください。時間をかけると意味が取れるなら、語彙知識だけでなく、文構造や段落の要点を処理する速度に課題がある可能性があります。
まず「誰が・何をしているか」をつかむ
長い英文が出てきたら、頭から順に訳そうとせず、先に文の中心を探します。探すのは「誰が」と「どうした」の2つだけです。
- 元の文
The new library near the station has become popular among students who want a quiet place to study.
- 中心だけ
The library has become popular.
near the station は図書館の場所、among students 以下は「誰に人気なのか」の説明です。いったん外すと「図書館が人気になった」という中心が見えます。残りは、その中心にくっついている情報だと考えてください。
慣れるまでは、復習のときに主語に丸、動詞に線を引いてみてください。手を動かすと、どこで読み違えたのかがはっきりします。本番でやる必要はなく、頭の中で同じことができるようになれば十分です。
一文ずつ完璧な日本語に訳さない
きれいな訳を作ることは、リーディングの目的ではありません。訳を組み立てているあいだに時間が過ぎますし、訳せたからといって設問に答えられるとも限らないからです。読みながら追うのは次のことです。
- 誰が、何について書いているのか
- その人は何を言おうとしているのか
- なぜそう言えるのか(理由)
- この具体例は、何を説明するために出てきたのか
ただし、普段の学習では訳す作業も必要です。本番で速く読めるのは、家で一文ずつ丁寧に読んできた人だからです。訳すのは復習のときの作業、と役割を分けて考えてください。
接続詞は「文章の標識」として使う
but や however は、覚える単語というより、次にどちらへ話が進むかを教えてくれる標識です。ここに反応できるようになると、読む速度が上がります。
- 1文目
The city built a new bus line last year.
- 2文目
However, few people use it.
However を見た時点で、前の文とは逆向きの内容が来ると分かります。予測できていれば、2文目は確認するだけで済みます。
同じように、because や since なら理由、therefore や so なら結果、for example なら直前の内容を支える例、instead なら別の案が来ます。全部を覚える必要はなく、「同じ方向か、逆方向か」を判断できれば十分です。
段落ごとに「何を言っていたか」を整理する
長文をまるごと覚えようとすると、読み終わったときに何も残りません。段落を1つ読み終えるたびに、その段落を一言でまとめてみてください。日本語で構いませんし、頭の中だけでも構いません。
- 主張(この段落で言いたいこと)
- 理由(なぜそう言えるのか)
- 具体例(何を説明するための例か)
- 問題(何が困っているのか)
- 解決策(どうしようとしているのか)
- メリット/デメリット
この一言があると、設問を見たときに「これは2段落目の話だ」と当たりをつけられます。本文を頭から探し直す回数を減らしやすくなります。
知らない単語が1つ出ても止まらない
2級の長文で、知らない語がゼロになることはまずありません。問題は、そこで毎回止まってしまうことです。知らない語に出会ったら、次の順で判断してください。
Point
知らない単語に出会ったときの判断
- その語は文の中心(主語や動詞)にあるか、それとも具体例や飾りの一部か
- 前後から、良い意味か悪い意味かだけでも取れるか
- すぐ後ろに言い換えや説明が置かれていないか
- その語を飛ばしても、段落の大意は変わらないか
その語を飛ばしても大意が変わらないなら、印だけつけて先へ進み、調べるのは復習のときで構いません。一つの未知語に時間を使いすぎると、ほかの設問やライティングに使える時間が減ってしまいます。
内容一致は「同じ単語探し」ではない
内容一致問題では、本文の表現が選択肢で別の言い方に置き換えられることがあります。単語が同じかどうかではなく、内容と意味が一致しているかを確認します。
- 本文
The restaurant closes early on Sundays because there are few customers.
- 正解になりうる選択肢
The restaurant has shorter hours on Sundays.
closes early と has shorter hours は語としては別ですが、この文脈では同じ内容を表しています。本文と同じ語を含む選択肢でも、内容全体が一致しているとは限りません。
英検2級でよくある誤答パターン
本文の一部だけ合っている
前半は本文どおりでも、後半に本文にない内容が足されている。選択肢は最後まで読んでください。
主語が違う
「店が決めた」を「客が決めた」に変えるタイプ。誰がしたことなのかを本文で確かめます。
理由と結果が逆
本文ではAだからBなのに、選択肢ではBだからAになっている。矢印の向きを確認します。
表現が強すぎる
some を always に、many を all に変えた選択肢。どのくらいの強さで書かれていたかも一致している必要があります。
本文にない情報が加わっている
それらしく見えても、本文に書かれていなければ不正解です。
常識では正しいが本文にない
自分の知識で補ってしまうパターン。判断の基準は常識ではなく、本文です。
迷ったときの基準はひとつです。その選択肢の根拠になる一文を、本文から指せるかどうか。指せないなら選ばない、と決めておくだけで正答率は変わります。
Eメール問題は「誰が・誰に・何のために」から
2級の内容一致には、Eメールを読む問題が出ます。説明文とは構造がまったく違うので、同じ読み方をすると迷子になります。本文に入る前に、次の3つを確認してください。
- 差出人は誰か(店の人か、友人か、学校の担当者か)
- 宛先は誰か(その人との関係は何か)
- 件名は何か(そのメールは何のために送られたのか)
Eメール問題では、差出人・宛先・本文中に登場する人物を混同しないことが大切です。「誰が誰に何を依頼しているのか」「これから誰が何をするのか」を確認しながら読み進めてください。
設問で問われやすいのも、この構造に沿った部分です。何を依頼したのか、何が問題になっているのか、これから何をするのか。日付や場所などの細かい情報は、聞かれてから戻れば十分です。
設問と本文を、どの順番で見るか
先に設問を見てから本文を読む人もいれば、本文を通しで読んでから設問に入る人もいます。どちらが正解と決まっているわけではなく、人によって合う方法が違います。
向いている人
設問を先に見る
本文を読むと内容を忘れやすい人。探すものが決まっていると集中しやすい
本文を先に読む
話の流れをつかんでから解きたい人。全体像が見えると迷いにくい
利点
設問を先に見る
必要な情報だけを探せるので、読み返しが減る
本文を先に読む
段落同士のつながりが分かるので、言い換えに気づきやすい
注意点
設問を先に見る
設問を全部覚えようとすると、かえって時間を使う
本文を先に読む
読み終えてから設問を見ると、もう一度本文に戻ることになる
大事なのは、どちらを選ぶかより、毎回同じやり方で解くことです。本番で急にやり方を変えると、時間の見積もりが崩れます。演習のうちに両方を試して、自分に合うほうに固定してください。
リーディングで時間が足りなくなる原因
「もっと速く読む」で解決することは、あまりありません。時間が足りない人には、たいてい具体的な原因があります。
- 語彙問題で迷いすぎる(知らない語は、考えても出てこないことが多い)
- 知らない単語のたびに止まる
- 全文を日本語に訳している
- 1つの設問に固執して、次に進めない
- 同じ段落を何度も読み返している
- ライティングに残す時間を計算していない
特に語彙問題は、知っていれば数秒、知らなければ何分考えても届きにくい形式です。選択肢を見て見当がつかなければ、印をつけて先へ進むほうが合理的です。
ライティングの時間まで含めて考える
2級の一次試験では、85分の中でリーディング31問とライティング2問を処理します。リーディングを最後まで丁寧にやった結果、要約と英作文の時間が十分に残らないこともあるため、全体の時間配分が重要です。
リーディングを速くする目的は、読解の点を上げることだけではありません。書く時間を確保することでもあります。演習のときから、「リーディングに何分使ったか」を必ず記録してください。85分をどう割るかは人によって違うので、自分の配分を練習の中で決めていきます。
最初から速読だけを狙わない
「速く読まなければ」と焦ると、意味の理解が崩れて、結局読み返すことになります。速さは、正確さの上にしか乗りません。
順番としては、まず時間を気にせず精読して、正確に読める状態を作る。そのうえで、時間を測った演習で速度を上げていく。おすすめは同じ1題を2回使うことで、1回目は時間を測って解き、2回目は時間を気にせず読み直します。新しい問題を消費せずに、両方の練習ができます。
答え合わせだけで終わらせない
解いて、正解を確認して、次の問題へ。これを繰り返しても点はあまり動きません。伸びる人は、間違えた1問について「なぜ間違えたのか」を分けています。原因が違えば、次にやることも違うからです。
Readingの復習で確認したい5項目
① 語彙
知らなかった単語や熟語は何か。意味だけでなく、それが入っていた一文ごと記録します。
② 構文
どの英文で読みづらくなったか。主語と動詞を確認し直して、どこで崩れたのかを見ます。
③ 段落の要点
その段落は結局何を言っていたか。一言で説明できなければ、流れを追えていません。
④ 正解根拠
本文のどこから答えが分かるか。根拠になる一文を指せるかを確認します。
⑤ 誤答原因
なぜ自分は別の選択肢を選んだのか。上の誤答パターンのどれに当てはまるかまで見ます。
複数の問題について記録を残すと、自分の傾向が見えやすくなります。①が多ければ語彙、②が多ければ構文、④⑤が多ければ解き方。ここまで絞ることで、次にやることが決まります。
よくある失敗と、その直し方
単語帳だけでReading対策を終える
覚えた語は、例文と長文で出会い直して初めて使えるようになります。単語帳と長文演習は、並行して進めてください。
全文を一語ずつ訳す
訳を作るのに時間がかかるうえ、訳せたことと設問に答えられることは別です。本番では中心と流れを追い、訳すのは復習に回します。
知らない単語ですぐ止まる
止まった回数だけ時間が消えます。文の中心にある語でなければ、印をつけて先へ進んでください。
同じ箇所を何度も読み直す
読み返しが多いのは、主語と動詞を決めずに読み進めているからです。文の中心を確定させてから次へ行く癖をつけると、戻る回数が減ります。
内容一致を同じ単語だけで判断する
本文の表現が選択肢で言い換えられることもあり、同じ語が含まれているだけでは正解と判断できません。内容と意味が合っているかで判断してください。
正解の根拠を確認しない
「なんとなく」で当たった問題は、次に同じ形で出たときに落とします。正解した問題も、根拠の一文を指せるか確かめてください。
時間を測らずに練習する
測らなければ、本番で何分かかるのか分かりません。1題ごとに時間を記録するところから始めてください。
解きっぱなしにする
解いた数が増えても、原因を特定していなければ同じところでつまずきやすくなります。新しい問題の数だけを追わず、一つひとつを原因分析と復習まで通すことが大切です。
Readingに時間を使いすぎてWritingが足りなくなる
読解で満点を取っても、英作文が書けなければ合計点は伸びません。演習の段階から、85分をどう割るかを決めて練習してください。
自分の弱点を分析しない
語彙か、構文か、解き方か、時間か。分けて記録していないと、次にやることが決まりません。上の5項目で分類してください。
効果的な学習サイクル
1題を、次の7ステップで使い切ってください。大量に解くことより、1つの問題から何を学んだかのほうが結果に効きます。
- 1
時間を測って問題を解く
本番と同じ条件で。辞書は使わず、分からない語は推測して進みます。かかった時間も残します。
- 2
正答率と時間を確認する
点数と所要時間をノートに書き出します。数字が並ぶと、先月より速くなったかどうかが自分で判断できます。
- 3
間違いの原因を分類する
語彙・構文・内容理解・設問理解・選択肢判断・時間不足のどれか。ここが復習の中心です。
- 4
読めなかった英文を精読する
今度は時間を気にせず、主語と動詞を確認しながら読み直します。読み違えていた箇所を特定します。
- 5
知らない語彙を確認する
語だけを書き写さず、その語が出てきた一文をそのまま写します。次に見たとき、どんな場面で使う語かまで思い出せます。
- 6
正解・不正解の根拠を確認する
正解の根拠になる一文と、選んでしまった選択肢がなぜ違うのかを言葉にします。
- 7
数日後にもう一度読む
同じ英文を読み直して、前より楽に読めるかを確認します。ここまでで1題が完了です。
解いた題数だけでなく、STEP 7まで届いた題数も記録してください。無理のない題数でも、原因分析と復習まで継続することで学習の質を保ちやすくなります。
まとめ
英検2級のリーディングには、語彙・文構造・流れの把握・根拠探し・時間管理が関わります。「単語は覚えたのに読めない」と感じているなら、語彙だけでなく文構造や段落の要点の捉え方も確認し、原因を切り分けてください。
そのうえで、1題を答え合わせで終わらせないこと。原因を分けて、読めなかった文を読み直して、根拠を確認する。この1周を丁寧にやるほど、次の1題が楽になります。
Note
本記事は学習方法をまとめたものであり、合格を保証するものではありません。出題形式・問題数・試験時間の最新情報は日本英語検定協会の公式サイトをご確認ください。「英検」は公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
参考資料
よくある質問
- 英検2級のリーディングは何問ありますか?
- 短文の語句空所補充が17問、長文の語句空所補充が6問、長文の内容一致選択が8問で、合計31問です。一次試験はリーディングとライティングを合わせて85分、リスニングが約25分です。
- 単語帳をやっているのに長文が読めません。
- 語彙だけでなく、文構造や英文を処理する速度に課題がある可能性があります。読めなかった箇所を辞書なしでゆっくり読み直し、主語と動詞、修飾関係を確認してみてください。時間をかけると意味が取れる場合は、正確に読める状態を作ってから時間を測る練習へ進みましょう。
- 知らない単語が出てきたら、どうすればいいですか?
- その語が文の中心にあるかどうかで判断します。具体例や飾りの一部なら、印だけつけて先へ進んで構いません。前後から良い意味か悪い意味かだけ取れれば、多くの場合それで足ります。調べるのは復習のときで十分です。
- 設問を先に読んだほうがいいですか?
- どちらが正解と決まってはいません。本文を読むと内容を忘れやすい人は設問を先に、話の流れをつかんでから解きたい人は本文を先に、が向いています。大事なのは毎回同じやり方に固定することです。本番で急に変えると時間の見積もりが崩れます。
- リーディングに時間を使いすぎてしまいます。
- 85分の中にライティングの2問も入っていることを、演習の段階から意識してください。リーディングに何分使ったかを毎回記録し、自分の配分を決めていきます。語彙問題で見当がつかないものは、印をつけて先へ進むのが基本です。